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千葉県柏市に伝わる昔話(むかしばなし)を追う!『法林寺の大いちょう』法林寺と『力石』観音寺

柏市

千葉県柏市で、地元に伝わり今も残る「昔話」は40を超えるそうです。

一つの市でここまでたくさんの「昔話」が残っているのは、伝えられていた話をずっと昔の方が一冊の本にして代々残していたからだといいます。

現在は、昭和60年に柏市教育委員会が発行した本によって語り継がれていて、昔話自体は現在、柏市のホームページで見ることが出来、柏市観光協会でも今後情報発信に取り組んでいくそうです。

そんな身近な地元の昔話を読んで、実際に話があったであろうという現地へと行ってみましたので紹介します。

「法林寺の大いちょう」かんたんに

越後の国(現在の新潟県)から自分の庭の「いちょうの実」を持って「たくはつの旅」に出た一人の尼さんが、千葉県の柏市までやってきました。

大変な旅をしてきた尼さんが宿を借りようと名戸ヶ谷村の法林寺を訪ねたところ、お寺の人は親切にもてなしてくれました。

 

尼さんは、お礼にと、持っていた「いちょうの実」をそっくり差し上げて旅立っていきます。

お寺が、尼さんからもらった「いちょうの実」を庭に蒔いたところ、大きくて立派な木になりました。

 

ある年に、このお寺の一帯が大ききんに見舞われてしまいます。

飢えで苦しんでいた子どもたちがお寺のいちょうの木になっていた実を食べはじめ、やがて村人達もこのいちょうの木に救われました。

その後、村の人々から益々大切にされていったいちょうの木の話です。

昔話の残る法林寺と観音寺

法林寺について

真言宗豊山派で、正式名は、「瑞雲山 獎覚院 法林寺

慶安3年(1650年)に建立されたお寺で、ご本尊は不動明王さま。

 

現在は逆井の「観音寺様」のご住職が兼務されているそうです。

12月初めに訪れましたが、紅葉(もみじ)と本堂の風景にしばし見とれてしまいました。

観音寺について

こちらは「力石」の伝説が残る観音寺様。


法林寺のご住職はこの観音寺様が兼務されています。

正式名所は「安樂山 誓光院 観音寺

境内では、四季折々の木や花が心を癒してくれます。

(2020年12月の紅葉)

 

ご本尊 不動明王さま

仏様の中で一番偉い大日如来の化身ともいわれる不動明王は、どんな悪人でも仏門に導いてくれると言われ、「お不動さま」の愛称で親しまれています。

怒りの表情で見守るのは、仏法の阻害になるものを屈服させ、仏道に入った者を徹底的に守護する現れだそうです。

観音寺の昔話「力石」(ちからいし)

柏市観光協会で発信されている「力石」の昔話に出てくる実際の力石があります!

境内の中にひっそりとあるのですが、知ってる人しか分からないでしょう。

場所は境内内こちらの看板横

 

「法輪寺のおおいちょう」のお話を、観音寺のご住職に色々と伺っていたところ、これが「力石」だよと教えてくださいました。

時代は江戸から明治ぐらいで若者たちの力比べで使われていたという「力石」。

昔話では、肩まで担げば「クリア」で、一番がたいの小さな若者(倉吉)が担ぎ上げたという伝説が残っています。

 

ご住職も若い頃に持ち上げてみたということですが、膝から腰ほどしか持ち上げられなかったと、少しでも持ち上げたご住職がスゴイ!

だって、重さ32貫・・・120kgあるんですよ!?

これまでどれだけの若者達に持ち上げられたのだろう・・・と想像していました。

※今はさりげなく置かれていますが、今後分かりやすいように設置しなおす予定だそうです。

「法林寺の大いちょう」について

今でも残る大いちょうは実も付け続けています。

ちょうど、お寺の管理をされている方が境内のお掃除をされていて、少し立ち話。

樹齢はおそらく600年ぐらいではないかというお話しでした。

 

大きくなりすぎると台風などの被害に合いやすく、木にも悪い為、何十年かに一度、枝をバッサリ切って剪定するのだそうで、最近では20年ほど前に切ったそうです。

切った後、数年は葉も銀杏の実もつかないそうですが、数年経つとしっかりと葉もつけて、実もなるということでした。

 

600年経った今も「現役バリバリ!」の「生命力」を感じました。

いちょうの紅葉の一番美しいのはほんの2~3日しか見られず、ほとんどが風ですぐ飛ばされるそうなので、美しい見ごろのいちょうの木を見られるのはラッキーな人!

大ききんの村を救ったいちょうの木は、今でもこの地区を見守ってくれているようです。

「法林寺の大いちょう」感想

越後の国(現新潟県)からやってきた尼さんの旅の苦労はいかばかりか。

その尼さんを快く迎えてくれた法林寺様の優しさにお礼として自分が持っている唯一の全てである「銀杏の実」を差し上げた。

もらった銀杏の実をありがたく庭に撒いた。

いちょうの木が育って、村人を助けた。

些細なことにお礼をされて、そのお礼を有難く使わせてもらったところ、また人の為になったというお話です。

とっても優しくて、素敵な話だと思いませんか?

「感謝」一つで、人と人ってこんな風に繋がっていけるんだなぁと改めて感じさせられました。

「法林寺の大いちょう」「力石」最後に

このお話があること、そしていちょうの木が現在も残っていることで、地域の「宝」になっていて、地元の小学校などは毎年校外学習などでもお世話になっているそうです。

ただ綺麗な木や立派な木を見るだけではなくて、少しだけこんなお話を聞いて出かけてみるのもいいのではないでしょうか。

 

法林寺のご住職が観音寺のご住職ということで、観音寺様にお話を聞くと、思いがけなく「力石」のお話も聞くことが出来ました。

私などにお話する時間を割いていただいた、観音寺ご住職に感謝申し上げます!

柏市の昔話、まだまだたくさんありますから、出来るだけやさしくて素敵なお話がたくさん皆さんに届きますように!

No Goal(ノーゴール)~やさしいじぶん改革!
庭川少林
庭川少林

40代の現役会社員
メイン担務の経理や総務をしながら社内の働き方や風土改革を推進しています。
働き方や自分改革、地域ネタやエンターテイメント「ワニの部屋」雑記ブログの筆者です。

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